20150712-2
そごう美術館「ロバート・ハインデル展」
July 12, 2015

横浜・そごう美術館で開催中の
「ロバート・ハインデル展」に行ってきました。
 
ハインデルは、ダンサーを描き続けたアメリカの画家です。
初めてダンスを観たときに感動して以来、
ダンサーたちが発散する感情や、生命力、情念、魂の躍動を絵に描き続けました。
バレエ、ミュージカル、コンテンポラリーダンス……
来日の際は、能や歌舞伎も描きました。
 
この展覧会では、初期のイラストレーション作品から、
晩年のファインアートに至るまで、
油彩を中心に100点ほど鑑賞することができます。
 
わたしはこの展覧会のポスターをみるまで、
ハインデルの名前を聞いたことがなく、絵もみたことがありませんでした。
わたしは何も調べずに知らない人の展覧会をみに行くことが好きで、
今回もハインデルのことを知ることを楽しみにしていました。
 
そしていざ、入場し、彼の作品の前に立ったとき…、
まず、こう感じました。
「彼は人間を愛した人だ!」
絵を見つめ続けるほどに、その思いが強くなりました。
彼は、人間の美しさにひたすら感動しながら、
それをそのまま描くことに心を砕いた人なんだ……わたしは胸が熱くなるのを感じました。
 
ハインデルは、ダンサーたちを目に見えるままに描きません。
彼らは背景に溶けていたり、ブレていたり、様々に着色されていたりします。
感情が肉体に現れた様を非常に深いところから掴み、描こうとしています。
そこには確かに、彼が尊敬していたフランシス・ベーコンの影響も強くみられました。
 
彼は来日した際、
はじめて鑑賞した能と歌舞伎について、こう語っています。
 
「身振りやかすかなニュアンスだけでなく、
 世代を超えて受け継がれてきた深い記憶と意味を知った。
 そこには時間を超越した声と演技があった。」
 
ダンスという、絵に描くことが難しそうに思えることを、
ハインデルはそれを踊る人たち、彼らの感情、そしてその奥の記憶までもを大切にして、描き続けました。
彼はダンサーたちの苦しみ、恐怖、そして愛をまるごと受け入れ、肯定したのです。
その彼の絵と対峙することは、非常に感動的な時間でした。
 
この展覧会を可能にしたハインデルの奥さまに、そごう美術館に、
そしてハインデルに心からの感謝を。
 
 
2015年7月26日(日)まで
「没後10年 ロバート・ハインデル展」
そごう美術館(そごう横浜店6階)